【特別寄稿】  F1復元した男! カートF92A復活の軌跡〜 by tanakam様    2001.3       戻る  


このページは、日本でたった一人の(!?)Ferrari・F1レストアラーであられます、

tanakam@京都(丹後)こと田中政裕(Galleria t-Collezione)より、

「カートF92A(仮称)のレストア記」について寄稿していただいたものです。


※各種画像、Textは基本的にtanakam様から送られたものを掲載しております。

ページタイトル決定、文中強調、などは私がさせて頂きました。

右画像のみCG誌より転載いたしました。



     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 以下 tanakam様より 〜〜〜
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●はじめに●

カートF92Aって正式名称不明なんで勝手に名付けました。キッズカーというかカートです。
キッズ〜と言ってもスケールは2/3モデルですから全長は2mを超え!エンジン付き
(ペダルカーではありません!→sealionさん^^=)2/3スケールのF92A!!!
これが意外とデカイ!全長2m超えます!!しかーしッ、といっても残念ながら小生は乗りこむことは出来ません。
恐らく身長150cmくらい(子供!?)用です。→180cm(><” そして”カート”ですから当然、何度も書きますがペダル・カーでなく
エンジン(伊製!)付きの自走可能車です。そしてカウルはFRP整形であの見事な曲線美!?のF92Aを実によく模しています!

そもそもホンモノのF92Aって判りますか!?(F民なolfの皆さんなら分かりますよね) 
#F92A→S.FerrariのF1-1992年のクルマ。F92ATはアクティプサス仕様の進化系で同年後半戦投入型。
Car-No.27は、ジャン・アレジ選手のドライブダブル・アンダートレイという二重構造の車体は全面曲線と球体
形作られている。ちなみに低迷したいたS.F-Teamは'92は0勝アレジ選手も総合ポイントは、7位に終わる。

カートF92Aですが発見から早2ヶ月半。途中雪害の為に遅れたレストア作業も取り掛かってから一ヶ月。
長かったようで短かった蜜月のレストア記を始めさせて頂きま〜す。

街角で発見した当時

☆発見当時の画像から順です。
本当に潰れかけの(^^;街角の板金屋の片隅で眠っていました。人目ぼれデスかね(^^* ハナシを聞きますとバブル期にイタリアから輸入されてBarの開店パーティーや、なぜか住宅展示場などのドサ廻りをして(T>T~ 2年くらい前に現在の街角の板金屋にやって来て、工場の片隅で廃棄ホイールなどと共にホコリを被って放置されるという、今やまさに死んでれら?の”灰被り嬢”状態でした。時より提灯に引き寄せられて言い寄るクルマ馬鹿にオヤジが法外な値段を吹っ掛けて退散しているみたいでした。
←ングググッなんと哀れな(T>T)”
これは見捨ててはおけないッ!と悩んでうなされること3日後、この持ち主でない置き場所のオヤジには足元を見られてフッ掛けられましたがなおさら『こんなクソのつくオヤジのもとでは可哀相!』と舞台から飛び降りてしまって足元がガクガク震えたものの購入を決行してしまいました。348の購入の時より悩んだ(?)
買ってから豪雪に悩まされましたがその間にF92Aの資料収集と勉強に明け暮れる日々でした。いやぁ〜コレが高くつきましたね。洋酒違った、洋書は高いッ!良い資料です。高い洋書だけでなく、方々の古本屋を巡って絶版の当時のF1本や雑誌を集めました。なンせF92Aの本の資料が(当時はまだボンビーな大学講師時代でまっさかFerrariに乗るとは思っていませんから)また、なんと言っても10年くらい前のクルマですから残っている古本屋など探すもの大変な作業でまさに漁りに行っていましたが、F92Aというと大概は奇異なダブルアンダートレイの説明がメインで資料的にイマイチ写真少ない><”トホホッ
余計な事を書きますと640系最後'91の642&643も同じ0勝なのにイメージがヨロシイのは640&641の栄光?のお陰!?。
ま,でも'92くらい以降〜WilliamsのFW系やセナがまだ存命したりベネトンのB194-195に乗るシューマッハが台頭して来たりと、確かに不幸な時代のクルマ?F92-93系です。が!この両年のポイント足して↑の642&643の'91年の55.5Pにも及ばない49Pというのは、やっぱアカン車か!?(^^;!Fの不名誉な迷車として記憶に残ってしまったクルマですかな(^^

発見当時ほこりまみれ

レストアに向け掃除

拡大写真

さて、そんなコンナの冬眠期間を過ごした後、啓蟄と共にレストア作業開始です!

☆ホコリと掃除の苦手なタナカが一念発起です!最初の掃除には近くの自動車ショップにて設備とエアをお借りしました。画像でその骨格ぶりがお分りいただけると思います。ホントに骨格だけでもカッコ良いです!骨格にパネルを貼ってしまうとFerrariというよりセナ選手の乗っていたMP4/5とかに似てきますかな。カートをしている友人の指導に基づきレストア作業です。この自動車ショップでは簡単な掃除と、錆落とし。それに錆た要交換のボルト類がリストアップされました。
(あ〜っ実家が組み立て業もやっていて良かった!)
☆そのショップの後には、ようやくGalleria t-Collezioneに入庫し本格的な作業に入りました。もーバンバラケ(><” 外せるものは(エンジン以外)全部、ブレーキも足回りも前後全て外してみました。コツコツやるのは性に合っていますが慣れない素人作業ですから独り苦悩した日々でした。ネジ関係は全て交換です。交換したネジ・ボルトの総数はビニール袋がいっぱいになるくらいで数えみると100はありました。

レストア−ボルト交換

拡大写真

張替え前のノーズ

内部のフレームの修復が終わったので外装のシール類の交換に掛かりました。


☆シールを剥がす前です。

以前はボディのヨゴレが酷くてシール類もくすんでいました。元から貼り付けてあるシールも良く出来ていたものの良く見ると貼ってある位置が微妙に違っていたり、余分で意味不明のアンテナも付いていたりしています。
この画像だと真上からですが・・・

☆・・・前からだとアンテナが分かります
また、SFマークや、マルボロのシール。更にコックピット周りのイタリア国旗のストライプなどもありませんでした。
ストライプは曲線部の貼り付けや、変にシールを曲げるのもムリが来ると考えたので型を取ってプロにお願いしました。

シール張り替え前

SFマークの作成

☆カッティング・シールと格闘
シールを貼るという作業に掛かるのですが、貼り付けるシールが有りません。剥がしたシールも使えません。ストライプは確かにプロにお願いしましたが、このシール代もバカにならない位の高額な為に、自作したのですがその作業に毎晩、カッティングシールと格闘しました。といっても流石にシールのFIATAgip、更にSFマークは買いました。
買いました〜と簡単に言っても田舎の丹後には売っているところは皆無なので神戸まで買いに行ったり、それでも無かったので雑誌を見て問い合わせをしての通販で手に入れました。更に困ったのがSFマークです。Ferrariが純正で出しているシールは色が違うのです。ボケているというか薄いというかで、色の合っているニセ物のシールを買ったのですがそしたら上部のイタリア国旗の角が丸くなっている!エーイッとそれに至って毎晩格闘して手馴れてきたカッティングシートの技術の腕が唸り、国旗部分はシールを作ってしまったのです。またノーズ部のシールにしても製作にはかなり気を遣いました
というのは、実際には同じサイズの例えばマレリとかウェバー、デックなどのシールたちですが同じサイズにシール寸法を切って貼り付けてみると本物とのイメージが合わないのです。ですから見た目の寸法を何度も測り直し採寸して何通りか作り直しました。

シール剥がした後ろから

☆ボディのシールを剥がしました。
力と根気の作業で剥がすだけで1晩掛かりました。
なんだかツルツルで良いですね〜(^^*エッ
シールだけでなく、ノーズのアンテナも外しました。

シール張り替え後

☆同じアングルの貼り付けた後です。
比べて頂くと随分イメージが違って見えるのが分かりいただけると思います。

シール張替え中

☆ノーズ部の貼り替え作業風景です。

苦労して作ったシールですから緊張しました。それでもじつはナンバー27の貼り付けに一度失敗してしまい(>へ<;その”27”の作り直しで一晩張り替えの完成が順延となってしまったのにはモンモンとしました。

当初の原型から外観で変えたのは、

 ・タイヤのGOOD-YEARの吹付け。

 ・同メーカーのリア・ウィングの上部のシール。

 ・アレジ車のマークであるイエローシール。

 ・ドライバーシート周りのイタリアン・ストライプ。
    
(↑これが有ると無いとでは華やかさが違います。)

 ・ノーズ部のステッカー全て

 ・ホイールの赤い枠にBBSのシール
  など

神々しいハンドルマークと
GOOD-YEARの吹付け



☆ホィールの赤枠とBBSのシール貼り付け前と、の更にハンドルの跳ね馬貼り付け後の画像です。
ノーズ先端の跳ね馬マークの取り付けは将来的には貼り付けでなくボディの加工も視野に入れています。



タイヤに関して外側だけでなく内側にもGOOD-YEARのマーキングをしましたが慣れたせいか内側の方が上手く行きました。
またホィールの赤帯は塗装屋に『出来ない』と断られてしまいましたので出来が悪くとも自作!で頑張りました。
あっミラーも赤に塗装しました。(ちなみに、本物の取り付け位置はストライプの途中。取りつけ位置が違うのは前オーナーの失作)



  ようやく完成しました!

今現在はこんなところでしょうか?!
まだ、気分的には完成という気分で無いというか、なんだか出来てしまって気が抜けた状態です。また、作業しながらの写真撮影はやはり思ったほど出来ずでした(^^”

FCJの鈴鹿イベントのデビュー戦には(サイズ的に)自分では乗れないので(将来の)プロドライバーを雇うべきでしょうね!?(^^~

ホンモノのF92Aが欲し〜い!m(-.-)m何光年かかるのか??

完成!カートF92A

 
拡大写真
(壁紙用です(^^;)
  

  追伸:

カートF92Aの横にあるのもオリジナルで作ったチャイルドシートです。なかなか良いでしょっ。←子供もいないのに(-.-”自爆ッ


ご希望がありましたら作らせますよ〜っ
あっ、どーせならHPに載せて下さいよぉ〜。HPの方へは割引で!
刺繍の画像のアップ付けます←コレも苦労したのですよm('へ';




チャイルドシートの馬のアップです(^^;

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以上、tanakam様からの力作でした。F92Aにかける執念・努力がひしひしと伝わってきます。本当に凄いです。

これでまた、日本にある
世界的文化遺産(^^;後世に引き継がれることになりました。本当にすばらしいです!



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